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クルマ通信91000 Miglia

クルマ通信91000 Miglia

1000 Miglia

 クルマが大好きな人たちの国イタリアには伝統的なカーイベントがたくさんあります。コモ湖で行われるコンクール・デレガンスもそうですし、プレシアからローマに行ってグルっと回って戻ってくるミッレミリアもそうです。シチリア島で行われるタルガフローリオも。これらは日本でもクルマ好きの人の間では有名です。多くの方がいつか参加してみたいと思っていらっしゃることでしょう。
 個人的に一番興味あるのはミッレミリアです。ミッレミリアとは“千”を表すイタリア語の“ミッレ”とマイルの“ミリア”をつなげたもの。要するに“1000マイル”走るイベントってことです。わかりやすい!

 ミッレミリアはかつて公道を使ったスピードレースでした。1950年頃はフェラーリやポルシェ、ジャガーも参戦していたほどです。ですが、1957年に観客を巻き込む大事故が発生し中止に。その後は20年の時を経てクラシックカーレースとして蘇りました。ただ、クラシックカーだから安全ってことはありません。そもそもレース好きの方々の集まりですから、かなり飛ばすようで。動画を観てもそうですが、参加した友人からも相当な迫力だと聞いています。4日間かけて1000マイル、つまり1600キロ走るんですから大変。途中コースを間違えたり、クルマの調子が悪くなったら夕方までにその日のゴールに着けません。夜中にゴールしてほとんど寝る間もなく翌朝スタートなんてケースも少なくないとか。
 そこまでハードではありませんが、日本にもクラシックカーの愛好家を集めた公道ラリーは行われています。しかもかなりの数。ただ、スピードを競わずにクルマを使ったゲームで勝負するのがメインとなります。決められた距離を決められた秒数で走るんです。例えば30mを25秒で、というように。それを一日に何十本もあるのですが、100分の一秒単位で争います。なので、皆さんこの上なく真剣。けっこう熱くなるんですよね。こういうの。僕も2007年からこうしたラリーイベントに参加しています。クラシックカーに乗って。
イタリア発祥のこうしたイベントは実に楽しいですよね。皆さんもぜひどうぞご参加くださいませ。


記事:九島辰也

最新グルメ情報10ティラミスを超えるブームになるか?! ローマ発の懐かしお菓子Maritozzo, il tipico dolce romano va di moda

最新グルメ情報10ティラミスを超えるブームになるか?! ローマ発の懐かしお菓子Maritozzo, il tipico dolce romano va di moda

ティラミスを超えるブームになるか?! ローマ発の懐かしお菓子
Martozzo, il tipico dolce romano va di moda

ここ数年、日本でも話題のマリトッツォ。丸いころんとしたパンにクリームを挟んだ菓子である。日本ではマリトッツィと呼ぶ人も多いが、普通一人一個しか食べないので、マリトッツォと単数形で呼ぶ方がしっくりくる。余談だが、同じことがカンノーロにも起こっていて、日本では一本でもカンノーリ。さらにパニーノに至ってはもはやパニーニでなくてはならず、単数で呼んだら直されてしまうこともある。
それはさておき、マリトッツォである。ラツィオ州の伝統発酵菓子であり、そもそもは粉、卵、はちみつ、バター、塩で作るパンで、かつては今よりももっと大型だったという。ただ、四旬節の時期は小さく作り、生地にはレーズン、松の実、砂糖漬けフルーツを混ぜて、焼き色もしっかりとつけ、「エル・サント・マリトッツォEr santo maritozzo」または「クアレジマーレQuaresimale」と呼んで、その節制の期間に唯一食べることが許された菓子だった。
マリトッツォの名前は、夫を意味するマリートmaritoが由来。3月の最初の金曜日に、男性が結婚を約束した女性へこのパンを贈るのが習わしだった。表面には天使が放つ矢に射抜かれた二つのハートが砂糖で描かれ、時には中に指輪などの小さな金細工が忍ばせてあったという。マリートを面白おかしくマリトッツォと呼び変えたところに、ローマ庶民に親しまれた風習だったことが伺える。しかし、時は移り、恋人同士のイベントはヴァレンタンインに取って代わられ、マリトッツォはいつしかバール・パスティッチェリアのショーケースの中に並ぶ、懐かしいおやつにおさまってしまった。

普通はそのまま、あるいは、スリットを入れて中にたっぷりのホイップクリームやカスタードクリームを挟む。形は丸くずんぐりしたものが多いが、マルケ州に伝わったマリトッツォは細長いドッグパンのよう、また、プーリアやシチリアでは編み込みパンのパターンも見られる。さらには、甘みを抑えて塩味の具を挟むスナックタイプもある。何れにしても、シンプルで気取りのない見た目で、それが却って愛らしくも思える。

最近はイタリアでも再注目されており、パン生地はより柔らかくホイップクリームもより軽く、大きさもやや小ぶりなものが人気。イタリアの菓子職人界のレジェンドと称されるイジニオ・マッサーリのミラノのパスティッチェリアでは、きらびやかなケーキがたくさんあるのに多くの人がマリトッツォを注文する。ほかのケーキに比べて値段が半分以下というのもあるのかもしれないが、皆、立ったまま嬉しそうに頬張っている姿を見ると、やっぱりただひたすら好きなのだろう。
パンにクリームを挟んだだけの単純な菓子は、考えたらどの国にもある。日本ならコッペパンに挟んだし、北欧のスウェーデンには丸パンにアーモンドペーストとホイップクリームを挟んだセムラがある。パンとクリームというのは鉄板の組み合わせというわけだ。
さて、実際に作ろうとするとちょっと手間がかかる。まず粉とイーストとぬるま湯で予備発酵種(リエヴィティーノlievitinoまたはビガbiga)を仕込まなければならない。これはイタリアのパンの最もベーシックな作り方で、少量の酵母で発酵力のある生地ができ、香りのいいパンとなる。準備の整った予備発酵種に粉、砂糖、牛乳、自然の香料(レモンの皮、オレンジの皮をすりおろしたもの、バニラビーンズ)を加えて練り、さらに卵、最後にバターまたはオリーブオイル、塩を加え、伝統的なマリトッツォであればさらにレーズンも加えてまとめ、発酵。切り分けて丸め、発酵させたら表面に卵黄を塗り、オーブンで焼く。
こうしてできたマリトッツォはビニール袋に入れて4、5日は保存ができる。食べるときにスリットを入れてホイップクリームをこれ以上は無理!というくらいに詰める。カンノーロと同じで、クリームを詰めたなるべく早く食べるのが鉄則。クリームの水分がパンに染み込んでふやけてしまうからだ。日本では苺などを挟んでより可愛らしく仕立てるのが人気だが、イタリアではあくまでも白いホイップクリーム一本勝負。食に頑固なお国ぶりがこんなところにも現れるのである。

イジニオ・マッサーリのパスティッチェリア
https://www.iginiomassari.it

その場でクリームを詰めてくれるローマのマリトッツォ専門店。夕方からオープン、一晩中マリトッツォが食べられることで有名(パンデミック以前)。
Il Maritozzaro Via Ettore Rolli, 50 Roma

ローマ・トラステヴェレ地区にある、さまざまなマリトッツォを提供するオステリアバール。アマトリチャーナ・マリトッツォなど実験的なマリトッツォも。
Il Maritozzo Rosso http://www.ilmaritozzorosso.com

記事:池田愛美

Marianne Mirage/IAM 2020吸って吐いて、そして愛してInspira, espira e …ama. Lo yoga di Marianne Mirage

Marianne Mirage/IAM 2020吸って吐いて、そして愛してInspira, espira e …ama. Lo yoga di Marianne Mirage

吸って吐いて、そして愛して

5分間のヨガでミラージュが再発見するのは自分自身、いや、藤原史織!

INSPIRA, ESPIRA E …AMA.

LO YOGA DI MARIANNE MIRAGE 5 minuti di yoga Mirage per ritrovare se stessi… anzi Shiori Fujiwara!

クルマ通信8MASERATI

クルマ通信8
MASERATI

MASERATI

 イタリアにはわかっているようでわかっていないカーブランドがいくつもあります。パガーニやブガッティなんてのがそんなところでしょうかね。じつはマセラティもそうかと。今日でこそ、クアトロポルテやギブリ、さらにはSUVのレヴァンテが街を賑わせていますが、そもそもは超レアブランド。戦前はレーシングカーメーカーでしたからフィアットやアルファロメオのような親しみはありません。当時のファンはヨーロッパの王族や公爵、伯爵、それとグランプリレースに熱狂した若者ってところでしょう。

 ところで、クアトロポルテって意味知ってますか? クアトロ=4、ポルテ=ドア、つまり4ドアってことです。なんと安易なネーミングなんでしょうか。ただ、彼らがレーシングカーブランドを起点としていることから2ドアをデフォルトと鑑みれば、それも理解できるかと。4ドアは特別だったんですね。当時は。
 そんなマセラティが昨年9月久しぶりにスーパーカーを発表しました。MC20です。2004年にリリースされたMC12の後継車って感じで。MC12はFIA GT選手権で2010年まで活躍したモデルです。
 新型はエアロダイナミクスを取り入れた低くワイドなボディと前ヒンジで跳ね上げるドアが目に飛び込みますが、やはりエンジンがポイント。100%マセラティオリジナルの3リッターV6ツインターボが搭載されます。最高出力は630馬力、最大トルクは730Nmを発揮。最高速度は325km/h、0-100km/h加速は2.9秒となります。おそろしー!
 「100%マセラティオリジナル」がトピックスなのは、現状のV6はフェラーリ製だから。マセラティファンにとっては自社製に戻った方が価値があるようです。まぁ、かつてはグランプリレースで戦ったコンペティター同士ですからね。ごもっとも。
 ちなみにMC20の発表会は本拠地のモデナとニューヨーク、それと東京で同時開催されました。日本時間はなんと午前3時!! 関係者の皆さま、お疲れ様でした!


記事:九島辰也

最新グルメ情報9料理やカクテルにフードフレグランスで香りをプラス

最新グルメ情報9
料理やカクテルにフードフレグランスで香りをプラス

料理やカクテルにフードフレグランスで香りをプラス

ミラノ発のフード・フレグランスは、料理の仕上げに使うとドラスティックにその印象を変える画期的なプロダクトだ。開発者はデザイナー、建築家でもあるアントネッラ・ボンディ Antonella Bondi。長年ミラノのデザイン、建築界で活躍しているが一時健康を害したことがあり、その際に柑橘類を中心とした食生活にしたところ症状が劇的に改善したという。その時にひらめいたのがこのフード・フレグランスだ。

アントネッラ・ボンディのフード・フレグランスはベルガモット、マンダリンなど南イタリアの柑橘類の他マダガスカルのバニラ、シリアのオリス根、グリーンオリーブ、グリーンレモンといった地中海的なものからユーカリ、コーヒー、バスクの海水などのユニークなものまで合計なんと350種類。全て天然素材のみから蒸留、抽出したナチュラルなプロダクトは料理やカクテルなどの飲料に使うとその効果が最大限に発揮できる。なによりも、持続性ある華やかな香りが最大の特徴だ。

アントネッラは有名シェフたちからの信頼も厚く、Wネームとしてローマのミシュラン3つ星ハインツ・ベック Heinz Beckやルレ・エ・シャトー Relais et Chateauxとのコラボ商品も展開している。また、2017年11月に世界一の料理人マッシモ・ボットゥーラ Massimo Botturaが来日、宮崎県延岡市で行われたフードイベントに参加した人は覚えているかもしれないが、あの時にボットゥーラが作った「リゾット・アル・カチョ・エ・ペペ Risotto al Cacio e pepe」の仕上げに使っていた白胡椒のスプレーがこのフード・フレグランスだったのだ。同じミシュラン3つ星シェフである「レ・カランドレ」 シェフ、マッシミリアーノ・アライモは常々こう言っている。「料理においてわたしは目に見えないもの、形のないものを大切にしたい。それは音や香りです」つまり現代のファイン・ダイニングの世界において香りとは非常に重要なエレメントなのだ。

また近年はカクテルの世界においても技術や素材の進化が著しい。それまでは高級レストランの厨房でしか使われることのなかった調理器具を使ったり、独自にリキュールやエッセンスを蒸留、焙煎して使用するミクソロジーの世界でのやはり香りというアイテムは非常に重要。アントネッラ はバーテンダーとのコラボにも意欲的で、スペインの「ムガリッツ Mugaritz」のソムリエ兼バーテンダー、デヴィッド・リオス David Riosの協力によりカクテル向きのラインも発表している。例えば Ketel One Votka, Green Chrtreuseにカラブリア産ベルガモット・フレグランスを使った「グリーン・ バジル・ミュール GREEN BASIL MULE」、Don Julio Blanco Tequila、ライムジュース、白い柑橘系のブレンド=Agrumi Bianchiのフレグランスを使った「フレスキート Fresquito」などは聞いただけで試してみたくなる一杯ではないか?また、器用なバーテンダーはカクテル作りの最後に、レモンやライムの皮をさっとしぼって仕上げてくれるが、フードフレグランスでカクテルを仕上げる、 そんな演出もきっと絵になるはずだ。

香りと健康の関係についても重要視するアントネッラはミラノIULM大学のヴィンチェンツォ・ルッソ Vincenzo Russo研究所長とともにメンタル・セラピーとリラクゼーション効果におけるフレグランスの効用についても研究。フード・フレグランスを活用して脳に障害を追った患者に香りで刺激を与え、リハビリを促す実践治療にも取り組んでいる。こうした多岐に渡る活動の源は何よりも香りの効果を信じ、実践しているアントネッラ本人の強い意志と、無限のブレンドが可能なフレグランスの特性にある。多くのシェフ、バーテンダーとのコラボが可能なのはオリジナル・ブレンドによるビスポーク(特注)が可能だからだ。

是非自分の料理、あるいはミクソロジーの世界に取り入れてみたい、オリジナル・ブレンドを提案してみたいというシェフ&バーテンダーには要注目アイテムだろう。まだまだ開発中の新製品も多く、先日アントネッラ本人からテストさせてもらったのはなんと「ピッツァ・マルゲリータ」や焼きたてのパンの香りがする「ブレッド・クラム」。こうしたユニークなフレグランスもアイディア次第ではレストラン、バー、パーティシーンなどガストロノミーにおける無限の可能性を秘めている。

日本での問い合わせ
SAPORITA [email protected]

記事:池田匡克