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MASERATI

 イタリアにはわかっているようでわかっていないカーブランドがいくつもあります。パガーニやブガッティなんてのがそんなところでしょうかね。じつはマセラティもそうかと。今日でこそ、クアトロポルテやギブリ、さらにはSUVのレヴァンテが街を賑わせていますが、そもそもは超レアブランド。戦前はレーシングカーメーカーでしたからフィアットやアルファロメオのような親しみはありません。当時のファンはヨーロッパの王族や公爵、伯爵、それとグランプリレースに熱狂した若者ってところでしょう。

 ところで、クアトロポルテって意味知ってますか? クアトロ=4、ポルテ=ドア、つまり4ドアってことです。なんと安易なネーミングなんでしょうか。ただ、彼らがレーシングカーブランドを起点としていることから2ドアをデフォルトと鑑みれば、それも理解できるかと。4ドアは特別だったんですね。当時は。
 そんなマセラティが昨年9月久しぶりにスーパーカーを発表しました。MC20です。2004年にリリースされたMC12の後継車って感じで。MC12はFIA GT選手権で2010年まで活躍したモデルです。
 新型はエアロダイナミクスを取り入れた低くワイドなボディと前ヒンジで跳ね上げるドアが目に飛び込みますが、やはりエンジンがポイント。100%マセラティオリジナルの3リッターV6ツインターボが搭載されます。最高出力は630馬力、最大トルクは730Nmを発揮。最高速度は325km/h、0-100km/h加速は2.9秒となります。おそろしー!
 「100%マセラティオリジナル」がトピックスなのは、現状のV6はフェラーリ製だから。マセラティファンにとっては自社製に戻った方が価値があるようです。まぁ、かつてはグランプリレースで戦ったコンペティター同士ですからね。ごもっとも。
 ちなみにMC20の発表会は本拠地のモデナとニューヨーク、それと東京で同時開催されました。日本時間はなんと午前3時!! 関係者の皆さま、お疲れ様でした!


記事:九島辰也