「チェッキーニ・パニーニ Cecchini Panini」フランチャコルタにOPEN
先日フランチャコルタの取材で、5つ星ホテル「アルベレータ Albereta」に滞在していたときのことだ。PRのアンジェリカ女史が「明日ダリオ・チェッキーニがフランチャコルタに来るわよ」というので、事情を聞いてみると先日「チェッキーニ・パニーニ Cecchini Panini」というパニーノ専門店がフランチャコルタにOPEN。明日はコリエレ・デッラ・セーラ主催のイベントがあるのでダリオ本人がやってくるというではないか。
ダリオ・チェッキーニとは、パンツァーノ・イン・キャンティにある精肉店「チェッキーニ Cecchini」のオーナーのこと。店内では極厚のビステッカを切りながらダンテの詩を吟じ、2階にあるレストランでビステッカが焼きあがると「お肉バンザイ!!」と叫びながらビステッカを切り分けるその独特のキャラクターから「カリスマ肉屋」と呼ばれている。もう二十年も前になるが故澤口知之シェフ(当時リストランテ・アモーレ)と一緒にダリオが主催した「ビステッカの葬式」に参列したことも今となっては懐かしい思い出だ。
一方「アルベレータ Albereta」のオーナーであるヴィットリオ・モレッティ Vittorio Moretti氏は建設業で成功した実業家でワイナリー「ベッラヴィスタ Bellavista」も所有している。特にここ数年はガストロノミーに力を入れており、メイン・ダイニング「レオーネ・フェリーチェ Leone Felice」の他にもピッツァの帝王フランコ・ペペ Franco Pepeによる初めての支店「フィリアーレ Filiare」、そして今回の「チェッキーニ・パニーニ Cecchini Panini」と立て続けに新しいプロジェクトでフランチャコルタに新風を巻き込んでいるのだ。その仕掛け人はモレッティ・ファミリーの一員であるマルティーノ・ディ・ローザ Martino di Rosaでダリオとは数十年来の友人とのことだった。
翌日「アルベレータ」のロビーでダリオに会ったので前夜のイベントの話など、しばしお互いの近況報告。「近くだから一度見に行ってこい」というので翌日さっそく噂の「チェッキーニ・パニーニ Cecchini Panini」をのぞいてみたところ、まだ数日までに仮OPENしたばかりで本格始動はこれからとのこと。ゆくゆくは併設するスペースに肉専門のレストラン「クインターレ Quintale」(キンタル=100キロの意味)もOPENするというから、ダリオ・ファンにとってフランチャコルタは第二の聖地となるかもしれない。さらにマルティーノは「チェッキーニ・パニーニ」は今後もローマやミラノなどに展開して行きたいとも語ってくれた。いままでキャンティから出たことがなかった門外不出のチェッキーニの味が、これからはイタリア各地で楽しめるようになるかもしれない。
チェッキーニ・パニーニ」の名物はなんと200gの炭火焼ハンバーグをロゼッタに挟んだ迫力満点のパニーノ。いかにもダリオらしい、豪快かつユーモアを交えた気取らない味は、現代イタリアにおける肉文化の象徴でもある。ちなみに「アルベレータ」からは1kmほど離れており、歩いていけないこともないが坂道なので車での移動をお勧めする。
Cecchini Panini
Via Camillo Benso Conte di Cavour, 7, 25030 Erbusco BS
tel+39-340-1791570
atcarmen.com/projects/cecchini-panini
記事:池田匡克