Storie di passione italianaイタリアに恋しちゃう物語

コンクール・デレガンス・ヴィラ・デステ

今回は先ごろ開催された。コンクール・デレガンス・ヴィラ・デステの話。1929年からイタリアで行われるカーデザインの美しさを競うコンクールです。開催される場所はミラノ北部に位置するコモ湖。その湖畔にあるヴィラ・デステの中庭がステージとなります。
コモ湖周辺は、ハイウッド俳優ジョージ・クルーニーたちが別荘を持つことでも知られ、“リトルハリウッド”なんて呼ばれます。そもそもコモ湖は古くからイタリアの貴族や芸術家が別荘としてのヴィラを持つ避暑地。アルプスの麓ということもあり、湖のまわりには大自然が広がり絶景を楽しませてくれます。なので、世界のセレブが集うのは至極当然なことかもしれません。
そんな場所で行われるのだから、なんとも優雅なカーショーであることは間違いありません。出品されるクルマはカテゴリーごとに分けられ、年代はもちろん、レーシングカー部門もあり、それぞれのジャンルで表彰が行われます。
またそのカテゴリーのタイトルがニクかったりもします。1920年代のカテゴリーを“グレイト・ギャッツビー(華麗なるギャッツビー)”といったり、30年代を“ゴーン・ウィズ・ウインド(風とともに去りぬ)と名付けてみたりと洒落が効いています。では、どんな素性のクルマが出品されるのでしょう。

ここでお披露目されるクルマのほとんどが、公の場にはじめて出てくるものばかりとなります。というのも、どこかのモーターショーに一回だけ展示されたデザインスタディだったり、ル・マンのような大きなレースで勝利したレーシングカーだったりするからです。それに世界の富豪が自分のためだけにつくらせたものもあります。そんなクルマを見ていると、そもそもクルマはワンオフだったことを思い出します。ヘンリー・フォードが生み出した大量生産方式以前まで、多くのクルマは一台一台オーダーでつくられていました。
写真は、今年のヴィラ・デステ。ブガッティが2019年8月の「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」で発表した創業110年を記念するハイパーカー“チェントディエチ”の市販車を出品しました。1991年にリリースされたEB110の30周年でもあります。“チェントディエチ”はイタリア語で「110」のことです。市販型はわずか10台のみの限定生産で、価格は976万ドル(約10億1000万円)。2022年初頭にデリバリーが開始される予定だそうですから、ご興味ある方はぜひお問い合わせください。


記事:九島辰也