Storie di passione italianaイタリアに恋しちゃう物語

クルマ通信29ランボルギーニLM002

ランボルギーニLM002

 前回に続きランボルギーニの話です。
 今でこそSUVブームでスーパーカーブランドやラグジュアリーブランドが競ってソレをラインナップしていますが、少し前までは信じられないことでした。なんたってベントレーやロールスロイスまでもがSUVを持っているんです。持っていないのは、有名どころでいえば、フェラーリとマクラーレンあたりでしょうか。
 で、ランボルギーニですが、実はこのブームのはるか昔にそれを販売していました。その名はランボルギーニLM002。一般的には“チータ”なんて名前でも呼ばれていました。市販前のアメリカ陸軍からの要望に応えたコンセプトカーがそういう名前だったので。正式名称ではありませんがね。呼びやすい愛称です。

 でもってこのクルマのすごいところは、背が高いオフロード車でありながら、ランボルギーニのレーシーな12気筒エンジンを積んでいたところ。当時のカウンタックと同じエンジンです。かなり昔ですが、実車を拝見した際エンジンをかけてもらったら、とんでもない爆音がしていました。「これ、レーシングカーですか?」って感じの。
 もちろん、見た目の迫力もバッチリ。真四角なスタイリングは軍用車そのままです。その意味じゃ普段乗っていたら恐れられますね、きっと。でもちょっとだけオシャレに見えるのはイタリアンデザインだからでしょうか。気のせいかな。
 発売は1986年から93年まで。SUVブームのずっと前となります。もし生産を続けていたらスーパーカー&ラグジュアリーカテゴリーSUVのトップランナーになれたかもしれません。残念。
 とはいえ、今日ではご存知のように彼らはランボルギーニ・ウルスというスーパーSUVを販売していて、高い人気を得ています。しかも自慢の12気筒エンジンが良い感じに唸りを上げて。当然、見た目もグッド。イタリアンデザインがクルマ好きの心を踊らせます。

 


記事:九島辰也