Storie di passione italianaイタリアに恋しちゃう物語

イタリアで初めてのスシ店ガイド、ガンベロ・ロッソより発刊

昨年開催予定だったUEFA EURO 2020が一年延期で今年の開催となり、ロックダウンで溜まりに溜まった鬱憤をここぞとばかりに発散している今日この頃のイタリア。ある時のラジオでは「イタリア人の7割以上がTVかラジオで実況を追い、その8割がピッツァをお供にするんだけど、残りの2割はスシを選ぶって!」などとフェイクを流していたが、あながち作り話でもないかも、と思わせるのがガンベロ・ロッソからこのほど発売になった「Guida Sushi」(8.90ユーロ)。その紹介記事では、なぜこのガイドが出ることになったのかの経緯が説明されている。
1990年代、外国人による料理店といえばチャイニーズくらい、それも数えるほどだったのが、2010年にはおよそ47,000軒の外国人経営者の飲食店が登録されるまでとなり、特にロンバルディア、ラツィオ、エミリア・ロマーニャ、ピエモンテ、ヴェネトに集中している。首都ローマを擁するラツィオを除けば、北イタリアばかりだ。そして、イタリア人が好む外国料理は、中国料理と和食。そこでガンベロ・ロッソは寿司ガイドを編むことにしたのだという。

掲載件数は250、一定のクオリティを保証するという観点からすれば少なくない件数であり、また、地域的な格差、例えば、ロンバルディアでは掲載数が非常に多いのに、モリーゼからは一件もないという現実も浮き彫りになったと説明する。さらに、いわゆる海外に多い“トラディショナル”な和食店(寿司もある居酒屋的な店)、日本移民の多いブラジルやペルーで発展したnikkeiと呼ばれる料理、中国人経営の店、アメリカ発祥のウラマキ、フュージョン、日本大好きイタリア人によるオマージュ系、などなど様々なスタイルに広がっていることがあらためて示されたと分析している。
また、イタリアにおけるスシの発展には、和食に欠かせない食材の拡充も大きく影響している。例えば、2007年からスシ専用の米の生産およびB2B販売に力を入れてきたMundi Riso社は、コシヒカリに性質の似たイタリア米セレニオ種を探し出し、2010年にスシ専用米としてリリース。2013年にはNew Kenjiというブランドで発売し、今ではイタリアのみならずイギリス、フランス、ドイツにも輸出しているという。ちなみに来年からは、スーパーでも500gおよび1kgサイズで販売する予定らしい。

ガンベロ・ロッソのガイドでは、優良可を示すアイコンをつけるのが流儀だが、スシ・ガイドでは、箸の数でそれを表す。もっとも優れたクオリティと判断された店には箸3膳Tre Bacchetteの評価がつけられることになる。さらに、優れた職人(料理人)には、マエストロ・デル・スシの称号が贈られている。以下がそれぞれのリストだが、このスシ・ガイドが毎年出るとして、今後はどんな顔ぶれになるのか、注目していきたい。

TRE BACCHETTE
ピエモンテ
・Le Petit Restaurant Japonais Rosta(To)
・Kensho Torino
・Miyabi Torino
ロンバルディア
・Finger’s Garden Milano
・Ichikawa Milano
・Iyo Experience Milano
・Iyo Omakase Milano
・Osaka Milano
・Wicky’s Innovative Japanese Cuisine Milano
・Yoshinobu Milano
エミリア・ロマーニャ
・Seta Bologna
・Yuzuya Bologna
・Vicolo 8 Modena
トスカーナ
・Moi Prato
ウンブリア
・Il Vizio Perugia
ラツィオ
・Hasekura Roma
・Kiko Sushi Bar Roma
アブルッツォ
・Oishi Japanese Kitchen Teramo
カンパーニア
・Japit Benevento
・Tabi Napoli
プーリア
・Fugu Restaurant Lecce
・Yuki Cucina Giapponese Noci(Ba)

I MAESTRI DEL SUSHI
・Haruo Ichikawa (Ichikawa Milano)
・Yoshinobu Kurio (Yoshinobu Milano)
・Minoru Hirazawa (Poporoya e Shiro Poporoya Milano)
・Osamu Ikeda (Osaka Milano)
・Wicky Priyan (Wicky’s Innovative Japanese Cuisine Milano)
・Shozo Kato (Tomoyoshi Endo Milano)
・Masashi Suzuki (Iyo Omakase Milano)

(photo: Iyo Experience Milano)

 

記事:池田愛美