Storie di passione italianaイタリアに恋しちゃう物語

イル・カヴァリーノ

 以前この連載で取り上げたマラネッロの「リストランテ カヴァリーノ」のことを覚えていらっしゃいますか? フェラーリのファクトリーツアーに参加する際にはぜひ立ち寄っていただきたい場所のひとつとしてご紹介しました。僕も彼の地でのイベントに呼ばれた際には必ず足を運んでいます。なんたって店内にはフェラーリにまつわる品々がところ狭しと展示されていますから、それを眺めているだけでも幸せな気分になります。
 そんな「リストランテ カヴァリーノ」に関するニュースリリースがフェラーリから届きました。お店が「イル・カヴァリーノ」として今年7月にリニューアルしたという内容です。

 そこに書いてあったのですが、実はフェラーリ創業者エンツォ・フェラーリ氏が現在の本社及び工場の地を引き継いだ際、付属するエリアとしてこの店の場所があったそうです。そこで彼は小さな農家だったスペースに当初社員食堂を建てたというんです。その後、更衣室、従業員用訓練センターとし、1950年に「リストランテ カヴァリーノ」にしたとか。いやぁ、知りませんでした。フェラーリの系列レストランだったんですね。確かに冷静に考えれば、別資本であればお宝があんなにあるはずはありませんか。

 で、今回地元モデナの有名なシェフ、マッシモ・ポットゥーラ氏と建築家インディア・マダヴィ氏の協力を得て、大々的なリニューアルをしました。
 仕上がった店内の写真を見ると、これまでとはかなり違っています。フェラーリに関するグッズは全て取り外され、シックで伝統的なイタリアのリストランテを感じさせる装飾となりました。テラコッタを使った床には土色とアイボリーのタイルが交互に敷かれ、壁には重厚な雰囲気を醸し出すオーク材が採用されています。庭園には屋外ダイニングルームがあり、2階には2つの個室と長めのいいテラスが用意されていると。そうなのか、2階があったのか……。
 写真ではわからなかったですが、一角にはフェラーリに関する重要な記念品やポスター、お祝いのコレクションもあるようです。よかった。やっぱ見たいし。
 ということで、アフターコロナに出かけたい場所がまたひとつ増えました。その折にはタイドアップしてディナーでもいただきたいものです。

 


記事:九島辰也