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クルマ通信20フェラーリ新型車発表『296GTB』

フェラーリ新型車発表『296GTB』

 フェラーリ話が立て続けになりますが、今回このタイミングを逃すわけにはいきません。そうです、フェラーリが新型車を発表しました。その名は“296GTB”。ミッドシップレイアウトの攻めの一台です。
名前の経緯は、2.9リッターのV6ターボエンジンを搭載することで、“296”となりました。GTBは“グラン・ツーリズモ・ベルリネッタ”の略ですかね。フェラーリはたまにこの手法でネーミングします。有名なところでは308GTBや328GTBあたり。それぞれ3.0リッターV8と3.2リッターV8を指します。
 発表はオンラインでした。本社のあるマラネッロからのライブ中継です。それを見ていて思ったのは、彼らのスタンスのかっこよさ。最高マーケティング責任者エンリコ・ガレリア氏もそうですし、最高技術責任者ミケーレ・ヒューゴ・レイター氏も最高デザイン責任者フラビオ・マンゾーニ氏も自信に満ち溢れていて、頼もしく見えます。特にガレリア氏とマンゾーニ氏はイタリア男っぽさプンプン。テーラードジャケにノータイのシャツというスタイルがバッチリ似合っています。大きく手を動かす度にチラ見せされる高級時計にもついつい目がいってしまいますね。いい感じです。昔“ちょい不良オヤジ”というキャッチフレーズで有名になったLEONという雑誌の編集部にいましたが、そこから抜け出してきたような絵面でした(笑)。

 それはともかく、296GTBですが、このクルマのニュースはフェラーリ久々のV6エンジンであることと、プラグインハイブリッドであることかと思います。電動化の時代の波はこのブランドにもたどり着いています。でも、それをポジティブに受け止め、小排気量のハイパワーマシンをつくり上げたのはさすが。最高出力は830馬力ですし、最高速は時速330キロに達します。まぁ、いろいろ変化してもそこはフェラーリ。マーケットの期待を裏切りません。
 ちなみに、フェラーリのプラグインハイブリッドはこれで3モデルになりました。SF90ストラダーレとSF90スパイダーがあります。その意味では今後電動化モデルが増えるのは簡単に想像できますね。
 296GTBのパフォーマンスは自動車専門メディアに任せますが、こうして新型車が発表されるのはいいことだと思います。アフターコロナとかウィズコロナとか言われていますが、景気回復を予感させるのは間違いありません。今後もフェラーリの動向が気になります。

 


記事:九島辰也