Storie di passione italianaイタリアに恋しちゃう物語

イタリア車のネーミング

 イタリアのカーメーカーのクルマに付けるネーミングについては以前も触れたかと思います。多いのは数字や地名でしょうか。イタリア語の響きでなんとなく誤魔化していますが、とても安易に付けられている気がします。
ワタクシが愛用しているフィアット500も、“ゴヒャク”とか“ファイブハンドレット”と発音してもなんも感じませんが、イタリア語読みした“チンクエチェント”となれば、なんとなくありがたみが増します。ラテンの香りのする特別なクルマ、と言ったところですかね。でも意味はそのまま当時の排気量です。現行型はその復刻版的存在なので、排気量は違いますが、それを踏襲しているわけです。
 そんなイタリア車ですが、一番ふざけていると思われる名前があります。それはマセラティのフラッグシップ“クアトロポルテ”です。この意味分かりますよね。日本語だと“4ドア”となります。確かにクアトロポルテには4つのドアがあります。でも、現在で言えばギブリもそうですし、ロワイヤルというかつてのモデルにもドアは4枚ありました。あまりにも直球で、意味を知ったときは口が開いたままに。「カッコイイ響きなのに、4ドアって意味なの……」と。
 でも、彼らの立場から弁明すると、それにはちゃんと意味があるんです。というのも、マセラティはそもそもレーシンカーメーカーでした。なので、2ドアがデフォルトなんです。そこに当時初代クアトロポルテというリアシートまでしっかり乗れる4ドアサルーンを投入したのですから、そこを強調したいという戦略だったんです。まぁ、そこまでの背景を知るとわからなくもないですが、でも、だからと言ってクルマの名前が“4ドア”ってどうなんでしょう?

 そんなマセラティからニュースが入りました。次期型グラントゥーリズモのプロトタイプの写真公開です。クールなスタイリングで大人気のモデルですから、次期型も当然話題です。見た感じだと今回もまたカッコ良さそう。と言ってまたまた惑わされていますが、グラントゥーリズモもかなりの直球。自動車業界ではよく使われる英語の“グランドツーリング”のイタリア語版です。よく「GT」と略されているヤツです。
 その次期型の最大の目玉はEV(電気自動車)になることです。マセラティ初のEV。マセラティEVという名前ではないようです。“エレトリコ ヴェイコロ”はまたそのうちですかね。

 


記事:九島辰也