街中でリゾート気分を楽しむコツ
カジュアルアップとドレスダウンが鍵

夏に向かう季節は、ポジティブな着こなしを試したくなります。近所でも街中でもリゾート気分を楽しめるようなスタイリングなら、気持ちまで弾みそう。アレンジのコツは普段着を格上げする「カジュアルアップ」とリラックス感を盛り込む「ドレスダウン」。今回はこの2つの着こなしテクニックを、イタリア発ブランドのアイテムを通してつかんでいきましょう。

カジュアルアップ編
パンツルックにフェミニンな華やぎを

カジュアルな印象のあるパンツルックですが、色・柄選びや小物使いを工夫すれば、ぐっとおしゃれ感がアップします。夏らしい元気感を「盛る」うえで役に立つのは、花柄やピンク色、サングラス、ヘッドアクセサリーなど。ファミニン色のバッグや、つややかな透明素材の靴なども取り入れるメリット大です。

 

シンプルな細身パンツも、カラフルに彩ったタイプなら、華やいだ雰囲気を呼び込めます。初夏から夏に取り入れたいのは、マルチカラーの花柄。ハッピー感も加わります。
イタリア発のブランド「Progetto Quid(プロゲット・クイド)」の花柄パンツは色のトーンを少しくすませてあるから、多色使いでも派手に見えすぎていません。淡いピンクのキャミソールトップスで合わせて、キュート感をプラスしました。
トップスを入れ替えて、様々なムードに着回せそうです。サステナビリティーとフェミニンを兼ね備えたテイストが持ち味のブランドだけに、ソーシャルグッド意識もまとえます。
夏のお出掛け気分を盛り上げてくれる小物にサングラスがあります。日射しが強まるサマーシーズンの必需品。せっかく着けるなら、おしゃれ感を引き立てるような色や形を選んでみましょう。
色味の明るいフューシャピンクは、ポジティブな気分にスイッチしたくなる今のマインドにピッタリ。世界的なトレンドカラーにも浮上してきました。8角形のアイキャッチーなレンズ枠がリゾートのたたずまいです。
こちらはイタリア発「Lamu Sunglasses(ラム サングラス)」の新モデル。ヴィンテージサングラスをモダンにアレンジする手法で知られているブランドです。ヴィンテージのアイウエアは追加の環境負荷が小さい点で地球にやさしい製品。どこかレトロなテイストも顔周りに落ち着きをもたらしてくれます。
トップス1枚で過ごすことが増える時季には、バッグの存在感が大きくなります。目を引くカラーのバッグを持てば、装いに狙い通りのイメージを呼び込めそうです。
濃いめの色を、服で迎えるのは、少しためらってしまいますが、バッグであれば、ボディーから離れているので、割と試しやすくなります。ピンクのミニバッグ「ポジターノ」はイタリア製カーフレザーを使用した、アクセサリー的に持ちやすいタイプ。メタルチェーンとスクエアフォルムが装いのアクセントに。ポーチとしても使える重宝バッグです。
イタリアの職人文化を受け継ぐ皮製品ブランド「Dudu bags(ドゥドゥ バッグズ)」はチアフルな色使いがお得意です。スタイリッシュなデザインと、鮮やかなカラーリングは、サッパリして見えがちな夏の装いを格上げしてくれます。
サマールックでは靴にも目が向かいやすくなります。特にショートボトムスを着た日は足元が目立ちやすくなるもの。涼やかな印象の靴は夏らしい雰囲気を呼び込みます。
プラスチック系の透明素材「プレキシガラス」はクールな表情が魅力です。見るからに涼しげな雰囲気を印象づけます。こちらはヒール部分につやめきを帯びた透明樹脂素材を用いたサンダル。夏の装いに求められるクールな表情を帯びています。
イタリアブランドの「Vic Matie(ヴィック マティ)」は1987年に創業して以来、ドレッシーなパンプスや軽快なサンダルなどのおしゃれシューズで知られています。皮革製品の産地として名高い、イタリア北東部のマルケ州で創業しただけに、手の込んだ靴作りに強みを持っていて、このサンダルのような複合素材使いも巧みです。

夏らしい「ブルー」系コーデは、
爽快感とスパイスが決め手

リゾート気分の花柄ワンピースを、ストリート気分でアレンジすれば、デイリーに着こなせます。スポーツ系のアイテムでミックスすると、ストリート感が加わり気負わない見え具合に。アウトドア風のライトアウターを羽織ったり、かごバッグやスポーツサンダルを合わせたりするバリエーションが着回しレパートリーも広げてくれます。
サッと着て、1枚で過ごせるから、ワンピースは夏に出番が多くなるウエアです。リゾート気分を楽しむには、総花柄のような鮮やかなカラートーンを選んで。少しゆったりめのシルエットは、風が吹き通って、さわやかに過ごせます。
南国を思わせるトロピカルフラワー柄で埋め尽くされたワンピースは、旅心をくすぐるかのよう。コットンやリネンで仕立てた生地は肌触りも快適。半袖・膝丈のシルエットは、軽やかな見え具合に導きます。
デニムに強みを持つイタリアブランド「CAPTAIN SANTORS(キャプテン サントル)」は、デニムウエア以外にこういったワンピースなどもラインアップ。海にまつわる絵柄がシグネチャー的モチーフです。天然素材を使うエコフレンドリーなところもサステナビリティーを重んじる今の流れにマッチしています。
梅雨時に限らず、初夏から先は意外にお天気が不安定なので、雨への備えが欠かせません。ワンピースの上からサラッと羽織れるレインアウターは頼もしいアイテム。薄手で軽いタイプなら、多彩に着こなせます。
ライトな着心地のレインアウターは、天気に関係なく、軽快なムードを盛り込むツールに使えます。ワンピースに重ねれば、「フェミニン×スポーティー」な今年らしいトレンドルックに。エアコン除けや紫外線ブロックの意味でも、夏に意外な出番があるアイテムです。
イタリア発の「KIMONORAIN(キモノレイン)」は防水機能とおしゃれ感が同居するレインウエアが得意なブランドです。ユニセックスのアイテムが多いのも、自在に着こなしやすい理由。小さくたためるパッカブルのタイプなら、バッグの底にしまっておけるので、急な雨でも安心です。
ワンピースはたおやかな印象が強いから、別ムードを帯びたアイウエアを添えると、全体のバランスが整います。やさしげな表情のワンピースとのミックスは、こなれ感を引き出すコーディネートです。
レンズにグラデーションを生かしたサングラスは、ミステリアスな雰囲気を顔周りにまとわせます。「Lamu Sunglasses(ラム サングラス)」の8角形モデルは懐かしげなたたずまい。夏服に大人感を寄り添わせてくれます。
ワンピース姿の表情を深くするアイテムにはバッグもあります。天然素材を使ったタイプは、サマールックに似つかわしい自然体ムードを醸し出します。
ミラノで創業した「Le Biondine(ル ビオンディーヌ)」は「メイド・イン・イタリー」の手仕事仕上げに定評があります。素材感を生かしたバッグだからこそ、丁寧な職人技が肝心。つややかなゴールド仕上げのハンドルが気品を印象づけています。
スポーティーな靴を引き合わせることによって、元気感や夏らしさが備わります。ソフトな着映えのワンピースとは、互いを引き立て合うような関係に。おすすめは視線を呼び込む「主張あり」のモデルです。
「Vic Matie(ヴィック マティ)」の超厚底スポーツサンダルはアクティブ気分いっぱい。涼しげなカラーリングも夏向きです。日本の下駄に似た四角いフォルムもユニーク。フェミニンなワンピース姿に、アスレティックな雰囲気を上乗せしてもらえます。
パンツルックはグラマラスに格上げして、ワンピースルックはカジュアルにドレスダウンすれば、街中リゾート気分でおしゃれを楽しめます。初夏から先のホリデイコーデに取り入れてみてはいかがでしょう。
ファッションジャーナリスト 宮田理江

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