最先端ニットウエアはさわやかクール
「おしゃれ見え」の着こなし

かつてはカジュアルウエアのイメージが強かったニットですが、今やおしゃれな装いのキーピースに位置づけられるようになってきました。人気の背景にあるのは、楽な着心地を求める「コンフォート志向」。おしゃれのために窮屈さを我慢するような態度はもう昔の話。その点、伸縮性に富んでいて、体が締め付けられないニットは、着る人の気持ちに寄り添う素材と言えます。
1960年に設立され、60年を超える歴史を持つ、イタリアのニットブランド「SCAGLIONE(スカリオーネ)」。上質素材のカシミヤをはじめ、アルパカ、シルク、麻、綿などの天然素材を巧みに加工して、幅広いニットウエアを生み出しています。
全ての商品をイタリアで生産する「メイド・イン・イタリー」を徹底。細やかな品質管理を実現しています。洗練されたパターンと磨き上げられた技術が「大人ニット」として高く評価されている理由です。
サステナビリティー(持続可能性)を重んじていて、2022年春夏コレクションではアップサイクリングをキーワードに選びました。ウールやシルク、リネンコットン、コットンジャージーなどの素材が提案されています。今回は「スカリオーネ」の新アイテムを通して、ニットルックの着映えを格上げできる着こなし方をご案内していきます。

ポロシャツは上品に着こなす
ニットで着心地軽やか

「地球温暖化の影響もあって、暑くて長い夏が続くようになり、ポロシャツの存在感がぐっと大きくなってきました。ニット特有の楽な着心地に加え、汗抜けもスムーズ。さらに、色やディテールのバリエーションが広がって、着こなしの選択肢も増えています。
こちらのポロシャツはサスティナブルなシルクを100%使っています。一般的なポロシャツはコットン素材が多いようですが、絹ならではの上質なつやめきが薄着姿にも格上感を漂わせてくれます。

 

ドレープがしなやかに映るのも、シルク素材のよさ。少し裾をたるませる感じで着ると、こなれた表情に仕上がります。
見慣れたトップスのポロシャツですが、人気の広がりを受けて、シルエットに凝ったタイプが登場しています。たとえば、こちらは肩周りに余裕を持たせたシルエット。リラックス感を得やすい、伸びやかな着心地です。
くつろいで映るもう一つの理由は、幅の広いボーダー柄。幅の異なるトリコロール(3色)のバランスも装いを弾ませています。

Tシャツはきれいめムードで 
細いボーダーですっきり感

最も身近なニットトップスと呼べそうなのは、やはりTシャツでしょう。部屋着に使っている人も多いアイテムですが、上質なタイプなら、きれいめに着こなせます。
普段着感を離れたスタイリングに使いやすいのは、長袖のロングTシャツ。襟周りが詰まったシルエットなら、ルーズに見えません。幅の細いボーダー柄はソフトなたたずまい。白系コーディネートに組み込めば、すっきりしたムードに仕上げられます。
風合いが肝心です。通常のコットンよりも肌触りがソフトなコットンジャージーなら、いっそうリラックスした気持ちにいざなってくれます。
幅が細いボーダー柄のおかげで、カジュアル感を遠ざけたテイストに整いました。裾のラインが横一直線ではないディテールも半袖Tシャツ姿の格上げにつながっています。さわやかなコーディネートの決め手は、クリーンな配色。ウォーターカラーと白の好相性コンビネーションが爽快感を呼び込みました。

新発想の素材やフォルムで、
半袖Tシャツ姿を格上げ

最もデイリーに着やすいTシャツですが、素材やシルエットの進化が進んでいます。たとえば、こちらの黄色いTシャツは素材の95%がリネンです。リネンは夏向きのシャツやブラウスでおなじみ。独特のサラッとした肌触りやナチュラルな風合いが持ち味です。
特殊加工を施したリネンジャージー生地だから、ごわつきや硬さを遠ざけつつ、涼やかなリネンの長所だけを引き出しています。気負わない自然体の着こなしにも、リネンの素材感がマッチ。サラリと着ても様になる格上Tシャツです。
Tシャツは割とボディにピッタリしたアイテムですが、ボトムスとの組み合わせ次第で、着映えにめりはりを加えられます。オーバーサイズのボトムスを迎えれば、トップスのすっきり感を引き立たせる効果が出ます。
カムフラージュ柄のショートパンツはTシャツ姿に動きを添えています。カラートーンを上下でなじませると、落ち着いた着映えに。Tシャツ姿をきれいめにまとめるコツです。

さらに高まるニットの表現力 
アートモチーフやニットアップも

ニットの表現力が一段と高まってきました。アートライクな凝ったモチーフを編み込んだり、上品なテイストに整えたり。上下がそろった「ニットアップ」も増えてきました。こういった進化形のニットに強みを持つ「SCAGLIONE」のアイテムをまとえば、ニットルックのランクアップが叶えられそうです。
ファッションジャーナリスト 宮田理江

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