アクセサリーのような感覚で取り入れたい!
ヴィンテージ由来のおしゃれサングラス

欧米のおしゃれ上手が好んで使う小物にアイウエアがあります。特に、サングラスはほとんど必需品。自分のムードや顔形に似合うモデルをそろえています。サングラスは顔の正面という、最も目立ちやすい位置に陣取るだけに、コーディネートの決め手となる存在。自分らしいお気に入りモデルを手に入れたくなります。
イタリアで2000年に創業した「Lamu Sunglasses(ラム サングラス)」はヴィンテージのモデルに、新たな色や素材を加えて、新たな魅力を引き出しています。メインデザイナーのSilvia Fabbri(シルヴィア・ファブリ)さんはもともとヴィンテージのサングラスが大好きで、コレクターでもあります。ヴィンテージアイウエアの工場が少なくなることに危機感を覚えて、ブランドを立ち上げたそうです。
彼女の編み出したサングラス作りの製造プロセスが素敵なのは、サステナブル(持続可能)でもある点です。新たに原料を調達する必要が少ないので、追加の環境負荷が極めて小さくなっています。シルヴィアさんは将来的にはゼロインパクト(地球に悪影響を与えない)の製品づくりを目指しているそうです。
シルヴィアさんがリスペクトする、アイウエアを使ったおしゃれの達人は、ニューヨーク在住のアイリス・アプフェルさんです。100歳を迎えたアイリスさんは真ん丸レンズの大ぶりアイウエアがアイコンのファッションリーダー。年齢に関係なく、おしゃれを楽しむ彼女もクラシックなサングラスを好んで着けています。
シルヴィアさんはヴィンテージのフレームを素材に使いながら、現代的なデザインセンスでアップデートしています。時を超えたタイムレスなテイストに仕上げるのがお得意。彼女自身がとてもおしゃれで、サングラスを生かしたスタイリングも参考になります。
意外に思われるかもしれませんが、冬は紫外線がきついシーズンです。目を守るうえでもサングラスは大事なツール。アウターを羽織るせいで、全体に無愛想となりがちな時期でもあるだけに、いっそうサングラスは重要なおしゃれピースに。色やフォルムの選択肢が広いのもサングラスの魅力だから、アクセサリーのような感覚で冬ルックに取り入れてみましょう。

人なつこくノスタルジックな「ラウンド」

レンズがほぼ真ん丸の「ラウンド」タイプは、ジョン・レノンのメタリックフレームが有名ですが、メタリックではない太めのモデルは人なつこいムードが持ち味です。特にヴィンテージなら、ノスタルジックなたたずまいに。不規則なマーブル(大理石)風の模様も、適度なインパクトを備えています。
割と大ぶりのレンズだから、顔を小さく見せてくれる効果も。枠の太さもアイキャッチーで、顔周りをハッピーに演出してくれそうです。
スタイリングでは服とフレームの色をそろえると、全体がなじみやすくなります。トレンドのベージュ系ファッションと合わせることによって、自然と装いに融け合い、ワンランクアップのおしゃれを楽しめます。

人なつこくノスタルジックな「ラウンド」

丸みを帯びた逆台形の「ウェリントン」は、どんなフェイスシルエットにもなじみやすい形です。日本でもオールマイティーなフレームとして、人気の高いタイプです。
基本の形がベーシックな分、色やディテールで違いを出したいところ。レンズにグラデーション(色調差)を加えると、ミステリアスな表情が引き立ちます。レンズの大きさや微妙なカーブに、レトロな雰囲気が漂うおかげで、レディーライクに仕上げるムードメーカーを任せられます。
顔の形を選ばないから、フォルムに悩んだときはウェリントンが無難なチョイス。スーツなどのカッチリした装いにもなじみます。逆おむすび形の「ボストン」もあまり癖がないので、選択肢に加えてみましょう。

強さとエレガンスを兼ね備える「キャッツアイ」

両端が吊り上がった「キャッツアイ」は主張が強く、凛としたモデルです。縦寸が細いキャッツアイはきつい印象になりがちですが、こちらはレンズの縦が深いモデル。強さとエレガンスを兼ね備えた雰囲気に仕上がります。
さらに、べっこう調の複雑な不規則模様がクラス感までまとわせる逸品。ヴィンテージならではの特別な表情が手に入ります。
ようやく少しずつ「日常」が戻ってきつつあり、ファッションからパワーをもらいたくなる気分も。レザーのライダースジャケットのような、やや強めでハードなウエアに合わせるなら、キャッツアイは好パートナー。一方で、ドレッシーな装いに引き合わせて、意外感を引き出すテクニックも使えます。

アート感や個性を印象づける「スクエア」

言葉の通り、四角形に近い「スクエア」は近年、復活が目立つフレーム形です。人気の理由は、カッチリしつつもレトロ風でもある、独特のムード。フレームそのものが愛嬌やアート感を宿しているから、プレーンな装いにも趣を添えてくれます。
こちらは真四角ではなく、少し丸みを帯びているので、顔の輪郭にもなじみやすそうです。トレンドカラーとしても注目されている味わい深いイエローが目を惹くデザインです。
シンプルな装いのアクセントに使うにもぴったり。サングラスを頭に乗せたり、胸元に引っかけたりしてアクセサリー感覚で差がつくおしゃれを楽しめるのも、個性を発揮する「スクエア」ならではでしょう。

非日常を存分に味わえる「オーバル」

横に長い「オーバル」は名前通りの楕円形が大半ですが、こちらは両端がスクエアな「いいとこ取り」のシルエットです。フレーム自体がアートピースのようだから、アイキャッチー度は申し分ありません。
べっこう調の模様に加え、パーブルやイエローが混じり合って、着こなしのキーアイテムにうってつけ。コロナ後に少しずつ増えていきそうなパーティやリゾートなど、非日常を味わえるシーンで使いこなせば、さらに気持ちも盛り上がること請け合いです。

トレンドに流されず、手持ち服を格上げ

「Lamu Sunglasses」のサングラスには、ヴィンテージ由来ならではの自然なレトロテイストが備わっているから、トレンドに流されず長く使うことができます。職人技で仕上げられたフレームには、オンリーワンの特別感も漂います。昔ながらのアセテート素材がノスタルジックな風合いも帯びていて、大量生産品とは別物のヒューマンな風情が魅力を高めています。
上手に使えば、サングラスは着こなしのイメージを方向づける主役級の働きを示すキープレーヤー。顔周りで最も目立つピースだからこそ、スタイリング全体のムードを左右するツールです。手持ちワードローブの着回しパターンも増やせるので、自分好みのレア物サングラスを探してみませんか。
ファッションジャーナリスト 宮田理江

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