ジェンダーレスの装いがブームに
ゆったりシルエットのアウターからトライ

性別にとらわれない「ジェンダーレス」の装いがファッションの大きな流れになってきました。以前からメンズテイストを取り入れたウィメンズのスタイリングが人気でしたが、近ごろは最初から性別を固定しない「ユニセックス仕様」のアイテムが登場。ジェンダーレスの勢いが増してきました。おしゃれ感度が高い人の間では、ジェンダーレスファッションが新たな「常識」となりつつあるようです。イタリアのアパレルブランド「T_Coat(ティー_コート)」はアウターでジェンダーレスを得意としています。
コートやジャケットなどのアウターは、オーバーサイズで着ると、かえって華奢に見えたり、キュートに映ったりするから、ジェンダーレスとの相性が優れています。しかも「T_Coat」のアウターはジェンダーレスの着こなしになじむよう、デザインが工夫されているから、コーディネートが楽。適度なストリート風味を帯びながら、イタリアならではの上質な素材感、丁寧なクラフトマンシップが一線を画します。洗練されたストリートモードが楽しめるジェンダーレスの装いを、5つのトレンドキーワードで読み解いていきましょう。
1. CPOジャケット風でミリタリーテイストをまとう

ミリタリーウエアにはもともと武骨なイメージがあることから、性別を感じさせにくいとされます。その持ち味はジェンダーレスの着こなしにぴったりです。こちらのジャケットは、米軍下士官の服装から広まった「CPOジャケット」に似たシルエットです。
「CPO」とは、「Chief Petty Officer(アメリカ海軍下士官)」の略。軍用の制服からヒントを得ていて、シャツとジャケットの長所を兼ね備えている点で重宝なアイテムです。シャツカラーと胸フラップポケットが目印になっています。
シーズンを選ばないユーティリティー感や、軍用に由来する丈夫さなどがCPOならではの強み。こちらのジャケットは素材の厚みを増して、ぬくもりを高めています。癖のない色味も、シーンフリーに着回しやすそうです。
2. ロングフリンジで70年代気分の装いに

体の輪郭をくっきり出さず、ぼかして見せるのは、ジェンダーレスの基本的なシルエット演出といえます。短冊状の細長い飾りをたくさん垂らす「フリンジ」は、ボディラインをあいまいに見せる効果が期待できるディテールです。
こちらのジャケットは両袖から長く垂らしたロングフリンジがユニーク。まるで往年のエルヴィス・プレスリーが着ていたステージ衣装のよう。実は1970年代ムードがトレンドとしてリバイバルする中、当時のヒッピーが好んだ装いも復活。フリンジもその流れで注目を集めています。
ジャケットのシルエット自体もオーバーサイズ気味で、ジェンダーレスのたたずまい。ロングフリンジのおかげで、カウボーイ風のタフ感も備わりました。視線を呼び込むフリンジ効果が生きて、1枚でも十分に着映えするから、ボトムスはむしろシンプル系が似合います。
3. 英国調チェック柄で大人カジュアルな着映えに

気がかりな状況が続く中、印象的なモチーフ(柄)を取り入れて、装いに華やぎや元気感を加えるスタイリングが支持を集めるようになってきました。生命力を呼び込むようなナチュラル柄(花柄やアニマルモチーフ)が人気を得る一方で、大人層が好むタイプに、英国の伝統を感じさせるチェック柄があります。
英国紳士のイメージが強いチェック柄は、装いに品格や落ち着きをもたらしてくれます。ロングコートのように面積の広いアウターにあしらえば、正統派テイストがいっそう濃くなります。ロングシャツ風アウターとも好相性。若々しい色を配したチェック柄はぐっとカジュアルな雰囲気に。シャツ風アウターに生かせば、上々のこなれ感が生まれます。
4. キルティングで屋内でもぬくもりをキープ

秋冬アウターのアイコン的なディテールと言えるのは、縫い目が目印のキルティングです。厚みのあるフィリング(詰め物)を安定させるために、格子状や菱形に縫い目を入れるキルティングは、シルエットに丸みを帯びさせる効果があり、ジェンダーレスな見え具合に導いてくれます。
2021-22年秋冬シーズンのトレンドとしてもキルティングは勢いづいています。もともとアウトドアでの寒さを防ぐ意味合いから広まったとされるだけに、軽くて暖かいメリットは頼もしく感じられます。
カジュアルやストリートのイメージがありましたが、近年は大人向けの街中服にも浸透。感染症対策で換気が求められ、レストランや職場でも、ドアや窓を開けておくシチュエーションが増えてきました。つまり、インドアでもアウターを脱がない過ごし方が増えていて、キルティングウエアはますます重宝になっています。
5. ふんわりパフィでトレンドのボリュームシルエットを手軽に
