人生は祭りだ Vol06ローマ:朝起きたら隣に知らない男が寝ていた話

人生は祭りだ Vol06ローマ:朝起きたら隣に知らない男が寝ていた話

1999年初夏。僕は、カラブリア男子6名との共同生活を離れ、ポポロ広場近くのアパートに越した。留学しに来たのに、毎晩飲み会だと勉学に励めないので。新たに入居した部屋は、バルセロナとNY出身の女子大生二人と共同生活。一人はベジタリアンだった気がする。それまでの男子6名とのカオスな共同生活とは180度違う、穏やかで、なんとなく良い匂いがする暮らしが始まった。勉学に励める香りもした。しかしこんな好条件を、元ルームメートたちが黙ってみているはずはない。フェスタをやろうと、なにかにつけ、ウチにゾロゾロとやってきた。女子大生たちも大体付き合ってく...

人生は祭りだ Vol05ミラノ:おしゃれなホテルにチェックインしたら、部屋にベッドがなかった話

人生は祭りだ Vol05ミラノ:おしゃれなホテルにチェックインしたら、部屋にベッドがなかった話

1999年春の話。日本からの出張の方々をアテンドするバイトに誘われて、ローマからミラノへ向かった。当時のミラノは今ほど洗練されてなかったが、それでも、モードやデザインでイタリアを牽引する街。カオスなローマから来た僕には、イタリア感が薄く、優しいマイルドな感じがして、リラックスしていた。出張とはいうものの、どうみても旅行にしかみえない方々をお迎えし、夕食を食べ、皆さんをホテルまで送迎する。長時間フライトや時差、ワインで、皆さん大体フラフラというパターンだ。そしてもう一つ、なぜかよくあるパターンが、一番偉い人がまだ来てない、というパターン...

人生は祭りだ Vol04ボローニャ:車中泊をしていたら、車に泥棒が入ってきた話

人生は祭りだ Vol04ボローニャ:車中泊をしていたら、車に泥棒が入ってきた話

1998年初冬の話。友人カップルから、ボローニャに行かない?と誘われた。ボローニャに女友達と、その彼氏がいるから訪ねたい、とのこと。カップル同士なんだし、二人で行けば?と思いつつ、暇だし僕もついていくことにした。車で向かう道中、彼らは運転をめぐって痴話喧嘩したりして、やれやれと思ったりしたけど、どうにかこうにかボローニャに到着した。ボローニャという街は、イタリアの中でも割とアカデミックな雰囲気があり、学生も多い。彼らの友達アランとその彼氏が出迎えてくれた。彼氏はドイツ系だった。...

人生は祭りだ Vol03オルヴィエート:CM撮影の手伝いをしたが、キスシーンが多すぎて日本で放送できなくなった話

人生は祭りだ Vol03オルヴィエート:CM撮影の手伝いをしたが、キスシーンが多すぎて日本で放送できなくなった話

1998年の初秋ごろの話。CM撮影現場の通訳をアルバイトで頼まれ、オルヴィエートに行った。オルヴィエートは、イタリアのちょうど中心あたりウンブリア州にある美しい小さな街。州都ペルージャからもほど近い。訪れたのはちょうど、中田英寿さんがペルージャに移籍し、王者ユベントス相手にいきなり2得点の大活躍をした直後。街を歩いていると、日本人というだけでナカータナカータと言われ。同じ日本人としてとても誇らしかったことを覚えてます。...

人生は祭りだ Vol02クロトーネ:寝台列車でお腹をこわした話

人生は祭りだ Vol02クロトーネ:寝台列車でお腹をこわした話

1998年の夏前に、僕はローマに降り立った。招かれた現地の食事の席で、生ハムメロンに初めて出会った。お皿にそれが乗って出された時、頭の中が『?』でいっぱいになった。おいおい冗談だろ。メロンだぜ。『イタリアではメロンがあまりにも安くて、こうしてメロンをお皿の代わりに使うのだろうか』『ファッションショーで奇抜なルックのモデルを歩かせるように、食べ物もこうして奇抜な組み合わせで出すのがオシャレということか』etc。自分にとってメロンとは、お盆のお供物とか、お見舞いに持って行くお土産か。そもそも自分にとってメロンはフルーツだから、ご飯と一緒に...

人生は祭りだ Vol01ローマ〜東京〜ミラノ:これまでのお話

人生は祭りだ Vol01ローマ〜東京〜ミラノ:これまでのお話

1998年ー2000年の約1年半の間、僕はイタリア政府交換留学生として、イタリアのローマ大学建築学部へ留学していた。交換留学なので、学籍は日本国内の大学院にあったものの、大学院生活のほとんどの時間を、ローマで過ごした。途中、就職面接を受けに一時帰国したが。その経緯についてはまた他で書こうと思う。...