トレンドの「グリーン」と「ブルー」を着こなす
イタリア流リゾートの装い

もうじきゴールデンウィークで、すぐ先はもう初夏。装いのほうもサマールックが出番を待っています。この時期からもう暑さが気になり始めるから、意識したいのはリゾート風のおしゃれ。涼しくさわやかに過ごせます。トレンドカラーに浮上したグリーンとブルーを使いこなせば、クールな印象がアップ。バケーション上手が多いことで知られるイタリア流の着こなしは、早めのサマールックに格好のお手本となってくれます。

トレンドの「グリーン」コーデ 
小物を賢く生かして

グリーンはバリエーションが多い色です。深いモスグリーンなら、落ち着いた印象に。明るい黄緑系はフレッシュなムードに仕上がります。SDGsやサステナビリティーをにも通じるナチュラルイメージをまとえるのも、グリーンがトレンドカラーとして盛り上がる理由です。

 

60年を超える歴史を持つ、イタリアのニットブランド「SCAGLIONE(スカリオーネ)」はライムグリーンのセットアップで、サマールックにふさわしい涼やかな装いを提案しました。袖先が開いた着物スリーブは、暑い日でも風が通って、さわやかな着心地。ブラトップを組み入れて、健やかに「チラ腹見せ」。ヘルシー&セクシーの新トレンドに沿ったスタイリングです。
薄着になるシーズンは、小物の力を借りて、華やぎを補うのが賢いコーディネート術になります。顔の上に重なるアイウエアは格好の格上げツールです。
イタリア発の「Lamu Sunglasses(ラム サングラス)」はヴィンテージのアイウエアに強みを持っています。新たな色や素材を加えて、モダンにアレンジするのが得意なブランドです。鮮やかなイエローのフレームは顔周りにジューシーな雰囲気を呼び込んでくれます。服のライムグリーンとも好相性。目を守る意味でもサングラスは夏ルックの必需品です。
ヴィヴィッドなグリーンを、服で生かすのは難しいところがありますが、バッグに迎えれば、差し色にうってつけ。ふわふわした質感のパフィバッグは、ソフトなムードを寄り添わせてくれます。
イタリアブランドの「Vic Matie(ヴィック マティ)」は35周年を迎えました。幅広くおしゃれシューズを手がけるブランドで、バッグも人気です。こちらのナイロンバッグはバックパックにも手持ちバッグにもスイッチできるマルチウェイのタイプ。つやめきを帯びているから、薄着の日でも、きれいなグリーンが装いのアクセントになってくれます。
グリーンを足元に迎えれば、クールなムードを呼び込めます。サマーシーズンはサンダルを履いて、さらに涼やかに仕上げるコーディネートが効果的です。
イタリア発のシューズブランド「Lanapo Cinque Terre(ラナポ チンクエ テッレ)」はサンダルがお得意です。ありきたりではない、上質な素材や優美なシルエットが足景色を格上げしてくれます。ゴールドのスタッズはグリーンを引き立てるディテール。細いストラップを重ねて華奢感を引き出しています。

夏らしい「ブルー」系コーデは、
爽快感とスパイスが決め手

海や水のイメージを連れてくるブルーは、森のグリーンと並んで、大自然とのつながりが深い色です。マリンルックや水玉模様でもおなじみで、サマールックにみずみずしくさわやかな気分を漂わせてくれます。
ブルーを生かしやすいウエアはいろいろありますが、夏に試したいのはスイムウエア(水着)。近ごろは水着を街着に取り入れるスタイリングも提案されています。
ミラノ発のブランド「ISOLE & VULCANI(イソレ & ヴァルカニ)」の水着は天然素材のコットンジャージー仕立てだから、ボディーに自然とフィットします。縫い目のないシームレス仕立てで、しかも試着不要のワンサイズです。鮮やかなブルーの濃淡ボーダー柄はリズミカルな着映え。クラシックなシルエットのセットアップだから、シャツや羽織り物を重ねての街中使いに向いています。
ブルー系をまとう際は、反対の暖色を組み合わせると、バランスが整います。ブルー系だけでまとめてしまうと、寒々しく映りがちです。目立つポジションのアイウエアはキーアイテムになってくれます。
「Lamu Sunglasses(ラム サングラス)」が得意とする、レトロ風味のアイウエアは、シンプルな水着ルックに、程よい華やぎを添える存在。薄いピンクパープルのレンズカラーが大人の落ち着きを醸し出します。パープル系は今年のトレンドカラーです。
せっかくブルーを着るのなら、リゾート気分の装いに取り入れたいところ。ムードメーカーに生かしやすいのは、くつろぎ顔のバッグです。
1968年にミラノで創業した「Le Biondine(ル ビオンディーヌ)」は丁寧な「メイド・イン・イタリー」の手仕事技に定評があります。バッグそれぞれに表情を持たせるアプローチもこのブランドの持ち味。ざっくりした風合いのジュート系生地を使ったキャンバスバッグは、飾らない表情がリゾートライク。たっぷり入る造りも夏のお出掛けにピッタリです。
ブルー系の服とのバランスを整えるには、暖色の赤系や穏やかなアースカラーがおすすめ。最も遠い位置にあるシューズに目立つ色を生かせば、薄着姿にアクセントが加わります。
土っぽい赤のパフィなサンダルは「Vic Matie(ヴィック マティ)」の逸太めのストラップと結び目がアイキャッチー。のどかな見え具合がリゾート感を呼び込みそう。鮮やかなブルーと、スパイシーな赤土色とのコンビネーションで、動きに富んだ装いに仕上がります。
グリーンとブルー、それぞれのコーデは様々なバリエーションがありますが、共通しているのは、夏の暑苦しさをやわらげてくれる涼しげでさわやかな見え具合。バケーション大国・イタリア発ならではの着こなしはサマールックを盛り上げてくれるはず。これからのゴールデンウィークや初夏のホリデイに向けて、イタリア流リゾート気分でおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょう。
ファッションジャーナリスト 宮田理江

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