Storie di passione italianaイタリアに恋しちゃう物語

ポルトフィーノM

 フェラーリから新型車が出たのでテストドライブしてきました。ポルトフィーノM(エム)というクルマです。直近で言うと昨年後半のフェラーリローマ以来。楽しみです。
 ポルトフィーノはV8エンジンをフロントに積んだクルマです。フェラーリにはこの他V12エンジンを積んだものもあるので、まずはそこで区別します。と、フツーはエンジンの大きさでラインナップをつくるのですが、この会社はそれだけではないんです。エンジンをどこに積むかでも違いがあるんですね。そこが特殊なブランドであることの要因になっているかもしれません。
 具体的には、ボンネットの下、つまり“前”か、ミッドシップと呼ばれる位置、つまりドライバーの“後”かで分けられます。一般的なクルマ同様の“前”がGTカー、“後”が公道を走るレーシングカーといったところでしょう。
 で、今回は“前”なのでGTカーとなります。

 そして名前の最後に“M”が付きます。これはイタリア語のMODIFICATAのことで、英語で言うモディフィケーションです。フェラーリ的にはスタンダードなモデルに対し、パフォーマンスをアップしたことを意味します。端的に言ってしまうと、600馬力を620馬力に上げました。もちろん、それだけのことではないですけどね。全体的に見直すのが彼らの流儀ですから。
 ちなみにこれまでも“M”が付いたモデルはありました。個人的に大好きなフェラーリ575Mマラネロというがソレです。こちらは12気筒エンジンをフロントに搭載したGTカー。いまでも、いつかアレに乗れたらなぁ、なんて妄想しちゃいます。
 それはともかく、ポルトフィーノMは相当カッコよく、かつ走りも滑らかで素晴らしかった。もちろん速いし。でも、こんなご時世ですから走りながらずっとポルトフィーノに行った時のことを思い浮かべていました。青い海、帆を畳んだヨット、カラフルな建物、トラットリアで食したジェノベーゼ、それと立ち寄ったシャツショップなどなど。いつになったらまた行けるようになるのだろう。きっとポルトフィーノに乗るたび、あの街のことを思い浮かべるんでしょうね。罪な車名です。


記事:九島辰也